嫌なことを断る勇気

都内にある廻るお寿司屋さんで

好きなお店があります

いつ訪ねても行列ができているお店です

先日、ランチどきに入ったときのこと
目の前の板前さんがあきらかに機嫌がわるく

次々に入る注文をにらみつけ
時おり舌打ちをしながら握っています

開店と同時に目の廻るような忙しさ
お寿司もまだそんなにまわっていないというのに

眉間にシワをよせている板前さんに
「態度のわるい店員さんだ」と以前なら気分を害していたと思いますが

その時はただ「忙しいのね」とだけ思いました

その板前さん、お客様に対しては丁寧で
うちの子供にも「たまご来たよ」なんて時々声をかけてくれたり

かと思ったら、また舌打ち

感情むき出しで仕事をする姿が
人間ぽくておもしろかったです

昔は、態度のよくない店員さんを見つけては
心の中で文句を言っていたように思います

私も以前は、つねに礼儀正しく
お客様にはつねに笑顔で
つねに感じの良いサービスマンであらねばならない、という思いがあったのですが

今はもう髪の色も自由ですし
服装も自由です

お客様に舌打ちすることはありませんが
嫌なことは嫌だと、
疲れた時は疲れたと、
ようやく言えるようになったのはここ数年の話

断る勇気が日常的に備わってきたのも
ここ最近のこと

そんなふうに感情を出して生きているからか
目の前の人が舌打ちしていようが
怒っていようが
イライラしていようが
なんとも思わなくなりました

それはその人の領域なので
わたしにはどうすることもできません

そっか。とそのままにしておくのが
良いのではないでしょうか

夕方、一人でお茶を飲みながらこの記事を書いています

フロアの一角では撮影隊をかかえたユーチューバーが
大きな声でセリフのように「すごーい!」と言いながら何やらお店の宣伝をし

その隣では、ユーチューバーの演技よりもはるかに大きな声で電話をするご婦人

「だから、お金貸しちゃダメって言ってるでしょっ!」という声が店内に響き渡り
お連れの紳士と目が合うたび投げキッスをされ

わたしの隣の席の若い女の子2人は
店内に飾られている白いネコと同じぬいぐるみをカバンからゴソッと取り出し
テーブルの上に座らせ写真を撮り満足げ

期間限定なのでしょう
パフェにもネコがのっています

六本木の交差点の喫茶店に
それぞれの時間が交錯する様を眺めながら
そろそろ迎えの時間になりました