毒親、親が嫌い、恨む、許せない

自分の親を「毒親」とすることで

親を恨み、親を嫌い
長年悩みを抱えている方も多いと思います

私もそうでした、2年前までは

親を嫌い、親をうらみ
実家にも近寄らず
自分の子供を抱かせたくないと思ったことすらあります

だから、あなたの毒親を嫌う気持ちが
他の人よりは分かると思っています

親を嫌う気持ちを誰かに相談しても
「親を悪く言うなんて良くないよ」と言われ
毒親のことで苦しむ自分に罪悪感も感じる
「私はいけない娘なのだろうか」

でも、それでも親のことが許せない
自分の気持ちを無視した親が許せない
私の話を聞いてくれなかった親が許せない
のです

私の話を聞いてほしかった
もっと認めてほしかった
もっとほめてほしかった
私の言うことを聞いてほしかった

そんな小さな頃から抱えてきた気持ち
泣けてきますよね
許せない時は許せないでいいし
うらむ時は気の済むまでうらめばいい

 
でも、親をうらめばうらむほど
自分のことも嫌いになっていく
母親はあなたを産んでくれた人
あなたのルーツを恨むことが
自分をうらむことに繋がるからでしょう

どんな親であっても、あなたを産んでくれた人間です
その親をうらむことで、自分の存在を呪うことにもなります

わたしも以前は毒親の本を読み漁り
毒親の項目に当てはまると
嬉しささえ感じていました

毒親なのだから娘にうらまれて当然
ひどい親だから私に嫌われて当然
そんなふうに自分のやり場のない気持ちを
親のせいにすることができたのです
 

今は「毒親」という言葉を見ただけで
どの口が言っているのだ、と思います

自分が過去に母を毒親に仕立て上げたこと
毒を受けたと被害者面していたこと
親のありがたみを感じる暇もなく
自分のことで必死でした

 
家族との仲が戻ってから
毎日のように話をしています

あの時は面白かったろね
あんなふうに言っていたよね
あの時はごめんね
お母さんのお弁当の唐揚げが好きだった

そんなふうに
今までの時間を取り戻すように話をする中で

母が、自分の信じていたこととは真逆のことを言ったり
母を傷つけたと長年悔やんでいたことをすっかり忘れていたり

母と娘とでの受け取り方が驚くほど違うのです、それはもうコントのようです

お弁当の手羽中の唐揚げの下味のつけ方を聞いたときにも
「そんなおかず作ったことあったかしら?」
という返事がきます

私の記憶では毎回必ず入っていたスタメンなのに、母にとっては覚えていないこと

親との関係での悩みを解決することは
簡単ではないかもしれません
でも、たった一つのことが腑に落ちたら
スルスルと解決することを私は体験しています

そのたった一つのことというのは「勘違い」です

親に愛されなかった
親に話を聞いてもらえなかった
親に理不尽に怒られた

誰でも思い当たることでしょう

ただ、
そもそもあなたも私も愛されていたのです
産んでもらったのです、命をかけて
育ててもらったのです、夜中もずっと
食べさせてもらった、生まれた瞬間から

毒親をうらむ真っ最中のあなたには
どの言葉も響かないでしょう

でも、いつかあなたが親の悩みから楽になりたいと思った時
きっと解決できると、私は自分の体験からそう信じています

あなたが見ている親
あなたが真実だと思ってきたことは
あなたのお母さまやご家族から見たら
全く別物であること

どちらが良い、悪いではなく
同じものをどう見ていたか?

あなたの信じてきたものと
あなたの母親が信じてきたもの
その差が積み重なり
母と娘の関係が難しくなってきている可能性は高いのです

この本、わかりやすいです

湊かなえ
 「ポイズンドーターホーリーマザー」

登場人物とその親、まわりの人間たちが見ている世界はまるで違います
どれも真実だしどれも真実じゃない
私たちも同じです

あなたがどの世界を見たいのか
それだけなのかな、と思います

毒親、と見るのか
育ててくれた母、と見るのか
どの世界かは自分が選ぶことができます

親をうらむことから解放されると
「私はここにいてもいいのだ」と感じながら生きられるようになると思います

うちの母は、私と2人でスマップのコンサートに行ったと言っています
「世界に一つだけの花」は最高だった、と言いますが、私は微塵も記憶にありません

こんなにも違うのです

母と子でも見ている世界がこんなに違うのだから
友人、夫、会社の人間関係でうまくいかないことがあっても当然のように思います

見ている世界が違う人だらけなのだから
そして、うまくいかないのではなく
単に違うだけなんだろうと思います

どんな母親でも
その母親がいたから生まれてきました

「たった1人のあなたのお母さんなんだから」

毒親に悩んでいる時は吐き気がするほど恨めしい言葉に聞こえるでしょう
私もそうでした

あなたの望む愛の形と、親が与えてくれたものが違ったかもしれない

でも、ほとんどの場合が勘違いなのです
「親は私の欲しい物を欲しい時に与えてくれる」という赤ちゃんの時の思考を持ち続けているのです

それが勘違いの元なのです

毒親なんていない、全部勘違いだ
と私は思っています